半沢直樹とドラマ論

半沢直樹ですが、部下との絆を缶コーヒーという小道具を使って描いていのが素晴らしかった。
ところで、半沢直樹のプロデューサーがここでこのドラマはここまでヒットするとは思ってなかったと語っている。
http://toyokeizai.net/articles/-/17385


最近のドラマの作り方として、ジャニーズ事務所や大手事務所の人気者をキャスティングして、それからドラマを作るという傾向があるだろう。
原作がある場合はやっぱりジャニーズとかの大手事務所の俳優をまずキャスティングする。
だが、このドラマの場合は原作に惚れ込んで原作にイメージで主役を選び、監督も原作者もイメージしていた堺雅人になったとのこと。
主役もジャニーズではないし、原作からして男ばかりで恋愛の要素もないし女の人が喜ぶ要素がないのに、このドラマは大ヒットしたのは意外だったと監督も言っている。
原作の面白さとその精神を忠実に受け継ごうとしたドラマの作り手の誠意がこのドラマのヒットの原因だと私は思う。
原作レイプという言葉があるが、原作の改変はキャスティングについて語られることが多く、もちろんキャスティングも大事だとは思うが、もっと改変してしまってはいけないのは原作のテーマとか根本精神だろう。


前に「働きマン」という漫画がドラマ化されたことがあった。主人公の松方という女性は働くということに生きがいを感じている女性。プライベートよりも働くということを第一に考える女性というキャラクターが新鮮で話題になっていた。
このドラマがドラマ化されたら、恋愛のエピソードが多く描かれるようになってしまった。
恋愛を描くなら、「働きマン」という原作を使う必要がないと思う。働くということを女性の主人公を通して真剣に考えたからこの漫画は大ヒットした。今まであまりそういう漫画がなかったからだ。原作の段階で他の漫画と差別化できている。それをドラマ化するとマーケティングで恋愛の要素をいれてしまう。結果的に仕事と恋に悩む女性みたいな普通のドラマになってしまった。多くの人に評価される原作というものはその時点で他のものと一線を画す要素がある。それをマーケティングで改変してしまっては同じようなドラマばっかりになってしまう。
日本のドラマをもっと面白くするには、原作をもっと重視することが大切だろう。
原作の精神、テーマを大事にした上で、イメージに合うようなキャスティングができたらいいものができるだろう。
原作があるドラマの場合まずはそこから始めるべきだ。