まあいいか。 乙一「GOTH」

塾に行くべきじゃないと一人で憤っていたけれど、よく考えたらどっちでもいいや。
塾というのは勉強するペースが自分で作れないから私はあまり好きではないけれど。
それに塾へ行っただけで自分で勉強しなければ成績が上がるとは思えないけれど。
もしかしたらいい先生とかに出会ったり友達に出会ってモチベーションが上がるかもしれないし、塾へ行くなという権利も私にはもちろんない。
チャットの高校生と同じく、高校生とか中学生で塾へ行くお金は比較的簡単に出す人が多く参考書への投資はケチる人が多いのだよね。
まあ、私がそう思うだけで塾をきっかけに勉強が好きになった人もいるかもしれないし、チャットで塾へ行きたいという高校生に説教するのはやめにした。
下のほうに塾不要論についての文章があるので読んでみてください。


乙一「GOTH」★★★★★。
傑作。不思議少年と不思議少女の二人組が出てきて。この不思議ちゃんたちどうしてくれようと思って読んでいたのだが、次第にこの二人組に好感を持ち始めた自分。
トリックは同じようなのを手を変え品を変え使っているようだが、それでもダマされてしまう。伏線がバリバリ張ってあって文章が一行も無駄になっていない感じだ。
最後の小説だけは最後のほうの無駄な文章が文学的なスパイスを利かせる結果になっている。もしかしたら乙一のほうが舞城王太郎よりもえらいかもしれない。
乙一は舞城みたいなことをやろうとすれば出来るけどやらないのかもしれない。
ストイックなのかも。
舞城の小説の饒舌さとかがミステリーをはずれてしまって文学的にという風に解釈されたわけだ。
だが、舞城の文学的な感じって親と子の何度も繰り返される暴力を題材にしてありふれたものであるよね。あとは説教とか。あと舞城の引用だけど「長いお別れ」とか「ハンニバル」とかべたな小説から引用してるよね。ちょっと考えたらどうだろう。
乙一のほうが本格のルールを破らないだけえらいのかもしれない。
ちゃんとミステリーとして破綻せずにつじつまを合わせて文学をやろうとしているという。
この小説の中で「土」という小説があって××が犯人というのは舞城の小説にも出てきたな。