ミュンヘン

ミュンヘン見ました。
怖かったなあ。星4・5か満点くらいかな。
殺人シーンとセックスシーンが妙に生々しいという。
で、他のところは舞台である70年代のヨーロッパ、主にフランスとイタリアをきちんと再現してましたね。車とかファッションとか。町並みもきれいですね。
ヨーロッパに行きたくなりました。背景だけ見てても楽しいですね。
暴力シーンは頬を弾が貫通して自分でも何が起こったわからずに目だけを左右に動かしている人とか殺されているのに痛みを感じずに後から血が噴出してくる人とか怖かったですね。
暴力シーンの快楽というものが映画にはあるわけですが、それはあまり感じなかった。で、見ているほうが痛い映画とかもあるわけですが、そういう感じでもなくただただ怖かったですね。あと切ないのは殺すほうも殺されるほうも悪い人ではなくて結構いい人だったりするところですね。対立する団体もちゃんとした考えがあってやっているしもちろん主人公たちも正しいと思ってやってるわけで。で、殺人を主人公に命令するおばあさんもいい人そうなんですよね。
暴力シーン(銃や爆弾で人を殺す)は異常な緊張感です。その緊張感の中でベタなギャグをギャグとしてではなく真面目にやるところがいいですね。
ネタバレになるので詳しく言いませんが。そのドリフっぽいところが逆にリアリティにつながり怖くなるという。
他の部分は70年代の映画っぽく画面が暗い感じがいいですね。有頂天ホテルのようなテレビドラマ的な暗さではなくて70年代の映画をわざとやっている感じです。
車とかファッションとかかっこいいですね。
アメリカ映画っぽくないです。アラン・ドロンの映画っぽいです。で、そんな感じでヨーロッパ映画みたいでかっこいいので、暴力シーン以外がなんだか長いなと思ったり特に情報源のルイの親父のところが長いなと思ったけれどギャング映画をスピルバーグがやりたかったのだなと思うので、私には主旨が分かったからオッケー。妙に料理が出てくるのもギャング映画に料理がいつも出てくるから、それをやりたかったのかもしれないですね。
この映画を見て映画館を出たら、ちょうど従業員が映画館に従業員通路から入っていくところでした。なんだか、誰にも見られないように一緒に通路から映画館に入って従業員の頭を拳銃で撃ち抜いて出てこようと一瞬思いました。
2時間50分も暗殺者の視点で描いている映画を見せられたらそんな気分になるのも無理はないなと思いました。
それだけ真に迫っている映画なのだと思います。