呉智英

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/breview/29130/


イジメ自殺が社会問題となっている。新聞でもテレビでも識者と称する恥知らずたちが、おためごかしの助言を垂れ流して小銭を稼いでいる。イジメに苦しむ少年少女よ、あんなものが何の役にも立たないことは、君たち自身が一番良く知っている。唯一最良のイジメ対処法は報復に決まっているではないか。
 実はイジメ自殺は何年かごとに社会問題となり、そのたびに真実の声が良識という名の愚論によって圧殺されてきたのだ。十一年前にもイジメ自殺が相次ぎ「少年ジャンプ」が悲痛な叫びを特集連載した。それをまとめた『いじめレポート』(集英社)にこんな声がある。「徹底的に体を鍛えた。復讐(ふくしゅう)のために…。やられる前にやれ!」(A男)。A君は拳法、柔道で「歩く凶器」となり、イジメを粉砕した。睡眠薬自殺未遂のC子さんは、死を思う気持ちよりも「憎しみの方が強くなった」「私もガンガン殴り返す」「女でもやるときはやるんだ!」。別の女児もこう言う。「どうしても死ぬっていうんなら、いじめた奴に復讐してからにしなよ」
 学校では報復・復讐は道徳的な悪だと教える。しかし、それは嘘だ。人間が本来的に持っている復讐権を近代国家が独占したに過ぎない。大学で法制史を学べばすぐわかる。復讐は道徳的には正しいのだ。現に、ロシヤに抑圧され続けたチェチェン人は果敢に復讐をしているではないか。
 被害者が自ら死を選ぶなんてバカなことがあるか。死ぬべきは加害者の方だ。いじめられている諸君、自殺するぐらいなら復讐せよ。死刑にはならないぞ。少年法が君たちを守ってくれるから。(評論家・呉智英



これはいじめられっこを守ってくれない法制度という問題があり、逆に少年法で守られすぎている凶悪犯罪の加害少年の問題があり、その両方を少ない文字数で皮肉って、近代法の矛盾をあらわにしているのですね。
この人は死刑制度を廃止して殺人には仇討ち制度を復活させるべきだと言っていた人なのでこういうことも言うのでしょうね。

って私だけでしょうか納得しているのは。
昔から個人的な復讐の習慣があったのに近代ではそれを
国家が代行する形になった。そこで弊害や矛盾などが生まれた。だから法律の矛盾点が明らかな死刑制度やいじめなどの問題のときは昔のように復讐すべきだという主張なのでしょう。
まあ、いいや。詳しくはようつべをご覧ください。
興味を持ったら文庫で呉智英のコラムを読むといいと思う。

http://www.youtube.com/watch?v=tiCUWksvgqg
http://www.youtube.com/watch?v=SzyYwdCjDAM&mode=related&search=

現代人の論語 (文春文庫)

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