ヘアスプレー

ヘアスプレーを観にいった。
面白い。
1960年代のアメリカを舞台にしており、主人公はチビデブだが歌と踊りがうまい女の子である。
その子がテレビのダンス番組のオーディションに応募することから、大変な騒動へと発展する。
最後にはいじわるで差別主義者のテレビ局の部長(ミシェル・ファイファー)と対立して、
デモに加わるという話。
差別問題が絡んできて少し難しい映画かなと思うとさにあらず、全編軽い軽い。
お遊びに満ちている。
ジョン・トラボルタが女装して太ったお母さん役を演じていて、やっぱりジョン・トラボルタ
といえばダンスであり、きっちりと見せてくれる。
これは感動的である。
登場人物がずっと歌っていて、こういう映画は大体、歌の上手さにも慣れてしまって、
退屈になるものだ。
しかし、この映画は脚本が巧みで最後に大団円になだれ込み、もう一段上のステージへと
突き抜ける。
素直に楽しい。
で、時代を描くのも忘れていなくて、それは主人公が通う学校の職員室がタバコでもうもう
としている場面とかタバコを妊婦がスパスパ吸う場面であらわされている。
ブラックジョークである。
登場人物は今ではそんなに使われることがなくなった、ヘアスプレーを
ギンギンにつけ、頭を立たせている。
ヘアスプレーには地球温暖化につながるフロンガスがたくさん入っていたけれど、昔はそんな難しいことも考えずシンプルに歌って踊って楽しい時代であった。
アメリカ人にとっての三丁目の夕日みたいな60年代回顧映画なのではないだろうか。
とにかくポジティブに何も考えずに感情の赴くままに踊り狂う主人公に爽快感を覚えた。
これは素晴らしい。