あなたとは違うんです

辞任会見で記者が「他人事のように聞こえます」という質問に対して、
福田首相が「私は自分を客観的に観ることが出来る。あなたとは違うんです」と答えた。
あなたとは違うんです」が今話題になっている。
その発言を変だと思っていないこと自体、自分を客観視できていない証拠だと思うが、
まあ、イラッと来て記者に当たりたくなることはあると思う。
言葉尻だけとらえてどうこう言っても仕方がない。
他人事に見えようとやる気があるように見えようとなんだろうと政治家はちゃんと政策を実行すればいいわけで、態度はどうでもいいと思う。
まあ、政策も実行してなかったわけであるが。
他人事に見えるというのは何度も言われていることだろうし、また言われたということで、ムカつくのも分かるけどな。
そんなことより、なんで福田という人格が形成されたのかが気になる。
多分、私の推理だと優秀すぎる父親を持った子供の悲劇ということに収斂すると思う。
福田赳夫は高校を主席で出て、公務員試験を一位で通過し大蔵省に入るというとんでもない秀才であった。
一方康夫のほうは麻布高校という秀才が集まる高校に入りながらも、早稲田大学にしか
行けなかった。
麻布高校に入ったら東大に行くのが当たり前であって、早稲田に行く奴は落ちこぼれと言えると思う。
まして、政治家・官僚の息子である。
康夫は勉強はしたけれど、それほど勉強ができたわけではなかったらしい、その鬱屈が
あの人格を作り上げた。
普通の人は早稲田大学に入れば頭がいいと思われるが、福田赳夫の息子だと
アホだと思われる。
それが「あなたとは違うんです」発言につながる。
あなたとは違う、私はいつも優秀すぎる父親と比べられてきた、という文脈である。
父親への劣等感と選民意識が裏表にあるのである。
「選ばれしものの恍惚と不安、二つ我にあり」である
父親と比べられるという経験を何度も経てきた康夫はいつの間にか自分すらも他人事
のように扱うということで、プライドを傷つけられることから回避するようになっていった。
誰から見ても父親のほうが優秀なのだから、いや俺のほうが優秀だと主張してもできるデータがない。「まあ、そういうことでしょうね。ふふん」とはぐらかして話を終わらせるようになった。
マスコミや世間の人達は福田にそうするように強いて来たのではないか。
そうしなければ、話が終わらないように延々と父親の話をしたではないか。
福田康夫というのはもう一人のDAIGOである。
AIGOがおじいちゃんを完全にネタにすることで、周りの人に合わせたのに対して
福田康夫は父親と自分の話を完全に他人事にすることで、周りに順応していったのだ。
あなたとは違うんです」そりゃ違うだろう。まったく間違っていない。