豊かな人生を送るために

「ネットに時間を使いすぎると人生が破壊される。人生を根底から豊かで納得のいくものにしてくれる良書25冊を紹介」というエントリーが話題になっている。
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081118/p1
アルファブロガーのブログを読むくらいなら、本を読むべきだという内容である。
主張自体には納得したし、アルファブロガーに対抗する意味で、これらの本を並べるという
意味も分かる。
だが、人生を根底から豊かで納得のいくものにしていくというタイトルに違和感がある。
やはり、人生を豊かにしていくためにはリベラルアーツを学ぶ必要があるのではないだろうか。
リベラルアーツというのは数学・歴史・文学などの基礎学問のことである。
そう思ったのは苫米地英人氏の「IQ200になる習慣」からを読んだからである。
苫米地氏も学んだイェール大学の話が書いてあった。
以下は要約。
イェール大学というのは世界でもトップ5に入る大変、優秀な大学である。
イェールの基本的な考え方は「すべての学問はリベラルアーツ」ということだそう。
それ以外は学問ではなく、職業訓練だと考えている。
ロースクールビジネススクールはあるけれど、職業訓練だから、他の専攻に比べると
肩身が狭い立場なのだという。
もちろん、それらは大学院にあり、学部にはない。
しかし、リベラルアーツはお金を稼ぐことにあまり向いていない。
それも、イェールは気にしていない。学問の価値はお金にないことを知っているから。
最近は東大でも卒業した後に起業志望の学生が多く、リベラルアーツのレベルが落ちているそうだ。
その点、イェールでは学部ではただひたすら数学や歴史、文学、哲学などを勉強する。
数学では言えば、未解決問題だったり、歴史であれば未知の古代文明だったりする。
とにかく分かったところで、役に立たないことを徹底的に追求するそうだ。
「その代わり、これらの学問を大量に、徹底的にやるとものすごくIQが上がります。抽象度が極端に上がり、それこそ世界最高レベルの賢い人間になれる可能性があるのです」
「イェールは世界一ということさえも興味がありません。もちろんお金を稼ぐことなどどうでもよく、学問が何の役に立たなくてもいいのです。ただ、学問を愛し、追求し、学び続けていくだけ。それが人生を豊かにすることであるとイェールは知っているのです」
ということだ。
イェールと東大の評価のされ方、人材の輩出具合を見てもイェールの圧勝である。
個人的には経営とか経済とかの本は本当に差し迫ったときに読めばいいと思う。
若いうちはもしくは若くなくても哲学書とか文学書とか歴史書などを読んで数学の問題を解くなどしておいたほうがいいだろう。
そういう土台があれば経済も経営もすんなり入ってくるのではないか。
苫米地先生に言わせると学問をすることで幸せだったら、そういう知識すらいらないのかもしれないが。
ということで、豊かな人生を送るためは経営や経済の本を読むことが必要なのではなくて、
文学・哲学・歴史・数学の本を読むことが必要であるという結論に達した。

IQ200になる習慣

IQ200になる習慣