夫婦愛

タイガー&ドラゴンを見た。清水ミチコの薄幸オーラにやられた。ベストキャスティング、薄幸で芸達者というのはこの人しかいないのではないか。「みんなのいえ」の清水も生活に疲れ切った人だったけど、なんでこの人は幸せそうな家庭を持っているのにドラマとか映画に出るとこうも不幸そうなんだろう。
最後、古田新太は相手が清水がガンだと知って漫才のどつきを躊躇するのだが、清水が嘘だという。どつく古田。「嘘や。私嘘付いたら顔に出るもの」と言われ、清水が本当にガンだということが分かってそれでも清水のためを思いどつく古田。三重になっているので、分からなかった人も多いようだ。西田敏行岡田准一に対する台詞も強がっているのだが、態度は反対という二重の構造。ということで好きなのに「嫌いだ」とか言ってしまうというそれがドラマだということが分からない人には難しかったかもしれない。
せりふはうそをつく。とシナリオセンターで教えられた。台詞を書くときは直接的に書かずに逆にするといいと。こういうことなんだなあ。このドラマはシナリオの教科書みたいなドラマだ。
この前の番組は金スマだったのだが、北斗晶佐々木健介の夫婦愛だった。虐げられても愛を貫く佐々木。こっちのほうが分かりやすいのかもしれない。こっちは女から男への暴力なので倫理的に問題ないことになっているから。
古田の方は男から女への暴力なので反発があるかもしれない。これはこれとして見てほしい。漫才や落語はそれはそれとして括弧に入れて見て欲しいなあ。こういう形式があるということで、あまり弱者への暴力は許せないとか正義感を持って見ちゃうと面白くない気がする。落語も吉原の話とかめくらとかの話ばっかりだし、売春けしからんとか障害者をバカにするなとか思って見ちゃうとつまんないでしょ。芸術というのは一度、自分の立場を保留にして見るといいと思う。


めちゃイケでは奈良騒音おばさんの物まね、ヤキモチオバサンとして極楽とんぼ山本圭壱がほぼ完璧に再現。「ドラマ、ドラマ、さっさと最終回」って加藤に言ってた。しゃれにならないから。視聴率悪いのにうち切られたら嫌だな。笑ったけど。「オレたちひょうきん族」では景山民夫三浦和義の格好をして「フルハム三浦」って真似してたからこれも目くじら立てずに見よう。あれも似てましたね。背の高いところとか似てた。忠実に再現してますね。報道番組で散々プライバシーを暴くのは許されて、バラエティ番組では茶化すのは許されないという理屈は無いと思うし。こういう社会派的な笑いというのはいいと思う。政治家も茶化して欲しいけどそれをやってもおもしろくならなそうな気がする。