今クールのドラマについて

「汚れた舌」も見続けてます。すごく面白いのだが飯島直子に共感できない。かなり可哀想な目にあっているのだが、なんとも思わない。週刊朝日小倉千加子先生によると飯島直子は演技力がなさすぎて、篠原涼子は演技力もあり性格も良すぎてキャラクターが立ってしまい負け犬というテーマから離れてしまっているそうだ。
飯島直子は私はちっとも美人だと思わないので松下由樹あたりにやってほしかったな。
そうすればもう少し主人公の身に立ってものを見られたのではないか?
週刊朝日には負け犬ドラマでは天海祐希がいいと書いてあった。私もフェミニストに好かれそうな役柄であるなと思っていたので、図星といった感じだ。
天海祐希の「離婚弁護士」がいいのは、負け犬ドラマで女が男をやっつける話だろとおもって見てしまう。それを見越して男が悪くなかったり、主人公の仲間の瀬戸朝香が親権をめぐって元夫と争うのだが、元夫が悪いとみんな視聴者に思わせといて悪くなくてただ再婚をしたがっていて、子供が反対なんだろうと思わせといて子供も賛成という。
スリードさせるのがうまいのだ。なんとなくこういうドラマの場合男悪者女正義という図式に立ってものを見てしまうのだがそうなっていないところがこのドラマのいいところだ。
何回ダマされたら気が済むのだろう。私は。今日も同じようにダマされました。

タイガー&ドラゴン粗忽長屋」は私の一番好きな落語の話。うまく料理されてました。骨組みがしっかりしているので、小ねたは少なかった。ちょっと寂しかった。
これも離婚弁護士と同じように悪そうに見えて本当は結構いいやつだった男の話。北村一輝ってこんなに声が高かったっけ。演技ならすごい。
小虎はどうなってしまうのだろう。心配だ。一話完結でおちがつき、次回に持ち越さないでみんなが幸せでという風にいかないのだろうか。誰かが不幸になるドラマはいやだ。
離婚弁護士とも同じ感想を持ったのだが、登場人物が成長もせず成熟せずずっと日常を送っているようなドラマじゃいけないのだろうか。
「ごくせん」が人気があるのはそこだとおもうのだが。


「犬猫」という映画をDVDで。★★★★☆よかった。寝起き映画と名付けたい。とにかく登場人物が寝てばかりいる映画である。
監督は榎本加奈子藤田陽子にだるくと注文をつけたらしいが。正しい。
普通の映画に出てくる人はハイテンションではっきり台詞を話すけど実際はそんなことはないから。
人生の三分の一は布団の中であり、ぐだぐだとしている時間というのが結構生活の中での大きい比準を占めているのだ。
台詞も聞き取りにくい。日本映画なのに字幕があるくらいだ。だけどリアルというのはそういうものである。
カメラは固定されていてほとんど動かない。だが、写真のように美しい。これは照明とか撮影が違うのだろうか。日本映画はなんとなく画面が汚いから嫌いだという人はこの映画を見るといいだろう。
登場人物が走る場面だけはカメラは動くそして人物を追い抜く。
登場人物が激しく動くときカメラも激しく動く。その他は動かない。
台詞を噛んでも自信を持っていればそのカットを使うと監督は言っていた。これも正しい。日常会話の中で噛むということは多々あるのだから。それは使うべきである。
なにか別のことをしながら台詞を言っていることが多い。
台詞にたいして意味はないのだが、退屈せず見られる。
台詞は音の一つであり、なにか動きがあれば映画は成立するということがわかった。
監督は俳優にジェンカをやりながらとかトランプをやりながら台詞を言うというリハーサルをしていた。なるほど。なにか別のことをしながら台詞を言うということは確かに難しいのだろう。その訓練はしっかりしたわけか。