おいしいもの

世界一おいしいものは、入船という寿司屋の大トロのあぶりらしい。
http://r.gnavi.co.jp/g519600/
ブブカ佐藤和歌子のコラムに載っていた。
私は食べ物の話を書いたブログを読むのが好きである。
文章の下手な人であってもただ今日これを食べたとか書いてあるとその人が分かるし、それが旬のものであったり私がその日に食べたいものであったりすると興味を持つ。
あまり食べたことのないものであっても素材の組み合わせによってなんとなく味は想像できるので食べ物に関しての文章は好きである。
例えば、今日、石川県産の岩牡蠣と茶豆を食べたとか日記に書いてあると非常にセンスのある人なのではないかと思ってしまう。
この人の日記は土用の丑の日にはスプマンテで乾杯の後、ワインは辛口の白を入れ、前菜に鰻の白焼き、イカスミを練り込んだ生パスタでフレッシュトマトと夏野菜が絡んでいるやつ、メインには沖縄のやんばる豚、脂味甘めをチョイス。ドルチェはデザート桃を使ったスープ。と言った具合でなんだか知らないけど美味しそうなのだ。
牡蠣ではなく岩牡蠣とか、枝豆ではなく茶豆とか生パスタとかやんばる豚とかいちいちうまそうだ。鰻も蒲焼きではなく白焼きを食べているところがにくい。


ただ、テレビに出ているタレントがうまいものを食べて悶絶しているような番組があるが、ああいうのは好きではない。
やはりこれだけ情報番組が溢れ、食べ物に関しての映像が流れているのに食道楽エッセイみたいなものに需要があるということは、文章で食べ物を味わうほうが想像力が働いて好きという人もいるということだ。
タレントがうまいもので悶絶という姿はなんだか身も蓋もない気がして好きではない。
食というのはあくまでも添え物であってほしい。ドラマとかアニメとかに出てきてなんだか美味しそうだとかそういうのがいい。食が主役になる姿というのはなんだかつまらないものだ。相変わらず毎日フレンズを見ているのだが、そこにはアメリカという貧弱な食文化の中にあって珍しいほど美味しそうなものが出てくる。
チャンドラーの部屋に上の階だか下の階だかに住んでいる住人にあてたチーズケーキが届く。間違ってチャンドラーはケーキを食べてしまい。止まらなくなる。レイチェルがそれを見て、チャンドラーに一口食べさせられてレイチェルも止まらなくなってしまう。
下の住人の部屋の前にチーズケーキが置いてある。留守なようだと言って、腐ったらもったいないと言ってケーキを盗み出そうとする。誰か部屋にいるようだ急ごうと言って足早にケーキを盗み出す二人。最後はケーキをめぐって争いケーキを二人とも床に落としてしまう。
ここの部分は食べられるぞと言って床にはいつくばって落ちたケーキを食べている二人。
最後、階段を上ってきたジョーイがそれを見て呆れるのかと思ったらフォークを取り出し一緒に食べるというオチ。なんでフォーク持ってるのだろう。
なんだかとてつもなくおいしそうなチーズケーキである。食べたいものだ。
やはり宮崎駿カリオストロの城ではルパンと次元がスパゲッティ(決してパスタという代物ではなかった)を奪い合っていた。名シーン。おいしそう。
物語において食べ物とは奪い合うことで光り輝くものになるのかもしれないというのはうがった見方であって、映画やドラマで食べ物を奪い合う場面というのをあまり見たことがない。
だが、アメリカ映画に比べて日本映画は食べ物というものを出さなすぎたような気がする。
とにかく日本映画はなにかおいしそうなものを食べてほしいものだ。そこだけでも映画を見たかいがあるというものだ。