リンダリンダリンダ

リンダリンダリンダを見た。★★★★★。
とにかく香椎由宇を見とけ。
これは相米慎二の「翔んだカップル」オマージュだよね。そうだよね。
学園祭のもぐらたたきと言えば翔んだカップルでしょ。
翔んだカップルにそういうシーンがあるんですよ。
鶴見辰吾張りぼての段ボールのモグラたたきのモグラになって薬師丸ひろ子に叩かれるというシーンが。
リンダリンダリンダには学園祭を舞台にした映画でありモグラたたきが二度も出てくるのだ。これはオマージュ以外のなにものでもない。
私は香椎がスクール水着を着てプールでぷかぷかしているところで相米慎二をやりたいのだなと分かったのだからえらい。
なんとなくだけど。
香椎のスクール水着は普通に見ればサービスカットなのだろうけど、相米的な意味のない動きなわけで芸術的とも言えるのだけれど結果的に私にとってはサービスになってしまった。
エロいのだ。
香椎の顔はプールの中に入ったときだけ濡れていて他の場面では不自然なほど乾いている。
例えば雨に濡れた後に体育館に入った所など。
これも香椎の顔がこの映画の肝だと言うことを表している。
とにかくこの映画は香椎しか見る必要なく他の部分は単なる蛇足と言い切ってもいいだろう。言い切りすぎである。だが、他の所は物語の必要性から発生しているだけだ。
なにがすごいといって香椎の眉毛のうねりがすごい。顔が完全にシンメトリーなのがすごい。
そして、制服のリボンの結び目が他の子よりも下に来ているところがすごい。
あのリボンの結び目のおしゃれというのは高校生に特有のものでリボンの結び目だけでおのおのの性格を表していて、香椎と実は性格の似ている凛子の結び目も同じ位置にあったりする。韓国からの留学生はぺ・ドゥナはリボンをして制服のボタンを全部留めているし、リボンをしていない生徒もいる。
で、留年している女子高生は制服の下にジャージをはいていたりして、ディテールがよくできているのだ。
というか香椎が長いリボンでニットを着ずにワンピースで足が長く見える短いスカートで黒いハイソックスでギターを抱えているだけでなんだかいい。
なんだろうこの格好良さは。
これっていうのはかつて映画が担っていたみんなが憧れるかっこよさみたいなものを久しぶりに掘り起こしてきたのではないか。
みんなぼんくらとか不良少女が映画を見て真似しようとした格好良さを久しぶりに見た気がする。私が女だったらすぐ香椎の真似をするだろう。
それくらいの格好良さがあるのだ。