ウコンの力

ウコンの力のCMが話題になってますね。
木の実ナナ山川豊黒谷友香という脈略のないキャスティング。
三人の全然統一感のない踊り。
耳障りで意味がなく変に覚えやすい音楽。
最後、三人がポーズを決めるところでは木の実ナナと黒谷が見切れているというカメラワークのつたなさ。
などが特徴としてあげられます。
このCMですが、妙にゲイの人に人気があるようで2ちゃんねるの同性愛掲示板にスレッドが立っていました。
私は全くの門外漢ですがダンスと言っても何かしらの型があってそれを組み合わせているだけだろうと冷笑的な気持ちで普段はCMの踊りも見ています。
だが、このCMは踊りは自由だ。本当に三人に振り付けをしたのでしょうか。信じられません。このCMに携わった振り付け師はとてつもなくいい加減かあるいは天才としか思えません。
で、ゲイの人がこのCMが好きな理由もそこにあるのだろうと思います。
KABA.ちゃん、真島茂樹などダンスの振り付け師はゲイの人が多いですね。
基本的にゲイの人はダンスにうるさいと思うのです。だからこのCMのように全く新しいダンスを繰り出してくるようなのを見てしまうとゲイの人は快哉を上げてしまうのだと思います。
ハウスにはこの他にも上野樹里森山未來ケイン・コスギという旬のタレントを擁しながら三人の良さを殺してしまうダンスを踊らせるカレーのCMがあります。
このCMを見ても見終わった後、誰が出ていたのか忘れてしまう始末です。
私も指摘されるまで森山未來が出ていたのを知らなかったぐらいです。
この三人のダンスも無茶苦茶極まりなく天才かあるいは本当に適当な人が振り付けたに違いありません。
このCMも素晴らしいのですがあるていどコミカルというか牧歌的な雰囲気にくるまれているためにやばさが伝わらないようです。
だが、ウコンの力木の実ナナ山川豊黒谷友香という全く意味のないと思われるキャスティングを確信犯的に組むことによって視聴者に違和感を伝えることに成功しカルトCMになりました。
この三人のコラボは木の実ナナ山川豊であったなら歌唱力があって、中年に人気のあるタレントをキャスティングしただけに過ぎないと思われたでしょう。
また木の実ナナ黒谷友香だけであったなら、ダンスの上手いタレントを連れてきたのだろうなと視聴者は思ったでしょう。
木の実を中心にやじろべえみたいな均衡を保っているのです。
木の実と山川はつながっていて、木の実と黒谷もつながっているのですが、黒谷と山川の接点がどうしても見つからないのです。
見つかるわけはありません。二人は全くの共通点はないからです。ただタレントのランクという軽重が同じなのです。
で、そこで釣り合うのです。やじろべえの左右は質的には全く違う形状のものでいい。
だが、重さは同じでなければならない。
そこにこのCMの絶妙ともいえる三人のバランスが成り立っているのです。
意味とかそういうものを突き抜けた極めて新しい10年に1本のCMと言えるでしょう。
大傑作といってもいいと思います。
作り手の才能に嫉妬するとはこういうことを言うのでしょう。