神様ゲーム

神様ゲーム (ミステリーランド)

神様ゲーム (ミステリーランド)

子供のためにと銘打って装丁とか活字を子供向けに見せていますが、明らかに子供のための読み物じゃないでしょう。
子供がこんな後味の悪いすっきりしないものを与えられて喜ぶわけがない。
グロ描写を脇に置いても子供のための本ではないですね。
まあ、その装丁とか活字も含めて、読者を引っかけるために用意した罠でしょうね。
私、読み終わった後、全然分からなくて、悩んでたのですが、いろいろ書評を読んで私なりの結論が出たのでここに記します。

*ネタばれあり*
主人公の推理が正しいということであれば、お父さんが犯人、だが、神様が天誅を与えたのはお母さん。
だが、お母さんが犯人だという証拠は一つもなく伏線もないのでお母さん犯人説は消える。
これは神様がお母さんを殺すことでお父さんを苦しめるという結果になるので、結果的にお父さんに天誅を与えたことになります。
共犯者に天誅を加えると神様は約束したけれど、共犯者を殺すとは言ってないので。
そして、同時に主人公も神様を使って人に罰を与えた罪を引き受けることになります。それは予想した結末(お父さんが死ぬ)ではなく、お母さんが死ぬということによって、罰を与える神様との主人公が共犯関係から転落することを意味します。すなわち、主人公にも本当の天罰が当たるのです。
すなわち、主人公は神様の位置にまで登り人を裁こうとしたが故に自分が罰を与えられてしまうのです。その罰はあらかじめ予想したものではなく、予想して罰を受けるということ自体が思い上がりなのですから、予想外の罰を与えられるのではないでしょうか。

それから、今思いついたのですが、お母さんも不貞を働いていて、主人公は違う父親の子供だったのかもしれません。だから、その罰としてお母さんが殺されたのかもしれない。お父さんはお母さんが不貞に走ったのでロリに走ったのかもしれない。逆にお父さんがロリだからお母さんが不貞に走った可能性もありますが。