ザ・ゴール

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

ザ・ゴールという小説読みました。
経営の基本を小説で面白く学ぶという本です。
三ヶ月で工場を再建しなくてはいけない工場長が主人公です。
しかも奥さんは忙しい主人公に嫌気がさして家出します。
こんなときに家出しなくても。
果たして工場をどうやって再建するのか?
奥さんは帰ってくるのか?
まあ、工場は再建されるわけですが、その方法が従業員のやる気(モラール)を上げる(たとえば王様のレストランメジャーリーグなどの一連のダメ組織再生のドラマとか映画のように)とかコストとか経費をカットするとかそういうありふれた方法じゃないところが面白いです。
逆にこの本ではコストとか経費はそれほど重要ではないと書いてある。
で、そういうありふれた方法とか努力ではなく方法論で業績を魔法のようにアップさせていくのが面白い。
ボトルネックといって、工場の流れが遅いところがあり、そこに注意を傾け、その工程の流れを止めないことで全体の業績が上がるという方法をとり大成功を収めます。
とはいうもののそれほど簡単ではなく他にも次から次へと難題が出てきて、それがリアリティがあり、解決方法も至極もっともなために面白く読めます。奥さんとの関係も経済小説らしからぬきめこまやかさがあって読ませます。
経営の勉強にもなりますよ。コストと経費が重要ではなくて従業員をムダに働かせて在庫を抱えるくらいなら働かせないほうがいいという当たり前かつ合理的なことが書いてあってうならされる。
常識は常ならぬという言葉が出てきますが、本当にそうでこういう組織の中にいるとなんとなくその場しのぎで行動して長期的な視点が欠けてしまうのだなと思ったりしました。
ということで、哲学的かつ実践的かつ通俗的な夫婦間のドラマもありつつ読ませるなあ。
全世界で250万部売れただけのことはある面白い本でした。
興味を持った人はアマゾンのレビューを参考にしてください。みんな面白いと言ってますよ。お勧めです。