Google入門

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)

この本を読みました。
独自のアルゴリズム(計算式)による検索システムがグーグルの中核能力になっています。
 全世界の検索エンジンのシェアの半分以上を占めており、米国によるシェアは42.3%、ヤフー27.6%、MSN13.5%と他を圧倒しています。
 
グーグルの検索システムの特徴(スパムサイト対策)
グーグルは他のページから多くリンクが貼られたサイトを選び出すことにしました。
これによってただ言葉を並べているサイトを排除しました。
それから、優良サイトからリンクを貼られているページを上位にランクすることにした。
アダルトサイトからのリンクが多いページが上位に来ないようにしました。サイトを複数持ちお互いにリンクを貼ることで上位に来るようにすることを防ぎました。
また、一年以上経たサイトからのリンクを重視するなどして流行の話題を取り上げているサイトを上位にランキングするシステムの導入もし、更新のないサイトが上位に来ることを防ぎました。

 グーグルのやっていること
容量の多いフリーメール  ポータルサイト(玄関サイト)化を狙っていると思われます。
グーグルニュース(これもコンピューターがアルゴリズムで自動的にニュースを選択し項目を作るということ技術を使っています)これもポータルサイト化を狙っているのでしょう。
グーグルマップ(無料の地図検索サービス)地域の企業からの広告料が見込めます。
グーグルアース(無料で世界中の衛星写真が見られます。海外の軍事基地も見られます)
これもグーグルマップと同じで地域の広告料を取るための方法でしょうね。 
ラン接続。アンテナを立てて全米からネット接続できるようにする計画を発表しました。
 発展途上国に100ドルでパソコンを配る。一億台。途上国も市場に組み込む計画です
 全米の図書館にある本をすべてデータ化。これもデータを作って検索システムを有効に利用するつもりでしょう。 

 
グーグルの資金源
キーワード広告
グーグルアドセンス
キーワードで検索したときに横に現れる広告からグーグルは資金を出ています。
1回クリックするごとに企業から広告料がグーグルに流れます。広告料はオークションで決まります。たとえば、キャッシングという言葉は1回につき3000円以上広告費がかかります。検索する側が切実だからでしょう。
福井水害の被害にあい、月売り上げ10万円になってしまったサバ寿司の会社がオークションによってワンクリック10円で「さば寿司」の権利を買いました。ネットの注文は毎月増加して今ではついに売上が200万円に上るようになったそうです。
このように全国に散らばっている少ないニーズをかき集めて、商売にしてしまうということがグーグルによって出来るようになりました。
またグーグルアドセンスは個人のブログにリンクを貼ることにより、そこのブログにふさわしい広告をアルゴリズムで割り出し、提供します。クリックをされたブログにはグーグルから広告費がいきます。
グーグルの事業はすべて検索ということから派生しています。無料LAN接続時の契約によってグーグルは顧客の情報を知りえて、それをマーケティングに使うことが出来ます。その顧客に必要になるにちがいない広告を例のアルゴリズムの検索を使って送りつけることが可能になります。

最近の経営というと、自社の得意な分野に特化しようとするあまり、縮小思考になる傾向がありますが、コア・コンピタンスを生かしながら、これだけの拡大を続けグーグルは成長し続けています。このグーグルの事業はサバ寿司に代表されるように、地方の中小零細企業を立ち直らせたりしています。グーグルの検索により、日本中の狭いニーズが満たされるようになり、今までの売り上げが少なかった商品が売れ始めています。マーケティングで有名なパレートの法則(だいたいどの店でも2割の商品が8割の売上高をあげるという法則)を古いものにする時代が来たのです。アマゾンでもベストセラーではない商品が全体の5割以上の売り上げだそうです。
グーグルのように一見本業には関係ないものも検索システムを使い結びつけて拡大していくというやり方はすさまじいものがあります。これからもウォッチし見習う必要があるのではないでしょうか。