泣く男

今日は極楽とんぼ山本問題で相方の加藤が司会するニュース番組で号泣したり所属の野球チームの監督である欽ちゃんが泣いたりしたのをテレビで観たわけです。
この二人の涙は本物だと思います。決して嘘泣きではない。
しかし、この記者会見で不祥事を起こしたら(この二人は自分が不祥事を起こしたわけではないですが)泣かねばならないという見えない圧力はなんなんでしょう。
外国のニュース番組とか観ていても少なくとも男は絶対に人前で泣いたりしないですよね。
日本のニュース番組では政治家や企業のトップが不祥事を起こした場合、必ず泣きますね。
日本のスポーツ選手も勝つにしろ負けるにしろ泣きますね。
私は不祥事を起こした場合泣く自信がないです。
だって大勢の人の前で泣けないですよ。
泣けますか?
やっぱりトップに立つ人間やメディアに出る人間は
すぐ泣ける準備をしてないといけないですね。
「号泣する準備は出来ていた」の状態でいないといけない。
私も将来的には何かでトップに立とうと思っているので
ちょっと練習をしとかないと。
全くの無表情で反省会見を行えば、反省の色がないと
怒られることは必至ですから。
そのために心の引き出しの中にいつも「やまとなでしこ」や「運動靴と赤い金魚」や「お父さんのバックドロップ(小説版)」を入れておかなければいけませんね。
で、なにげない瞬間にそれらを思い出して泣いてみようと
思います。恋愛でも使えるかもしれませんね。
「行かないでくれ」と言いながらそれらを思い出してみます。
そうすればすぐ涙が出てきます。


ここで前の日記と重複すると思いますが、私の号泣作品の
よさを改めて語りたいと思います。
今日は「やまとなでしこ」について
まず、やまとなでしこですが、松嶋奈々子は金持ちの娘を装い本当は漁師のお父さんに船長のふりをさせます。
で、お父さんは最初怒るわけですが、奈々子に幸せになってもらいたいと思って婚約者の家に行き船長のふりをするわけです。で、お父さんは深夜バスで帰るところに奈々子がやってきて今まで金持ちぶってお父様と呼んでいたのに「とうちゃん、ごめん、うそつかせて」と言うわけです。
「とうちゃん、ごめん」でお父様からとうちゃんに戻るところも感動です。
しかし、秀逸なのは「うそつかせて」ですね。
このやまとなでしこ、奈々子は嘘つきなわけです。
婚約者に対する嘘、そして自分に対する嘘をつき続けているわけです。
婚約者には自分が金目当てで結婚することを黙っています。
そしてお金が一番だと思い込んでいるという嘘。
自分をだましているのです。本当は愛のほうが大事なのに。
で、このドラマ、奈々子が好きな魚屋の堤真一も最初に嘘をついてお金持ちのふりをします。すぐばれてしまいますが。
堤も自分にうそをついています。数学者の夢をあきらめて魚屋をやっている。本当は逃げたのに父親が死んだからということにしている。
という風に「やまとなでしこ」は他人についているうそ、自分についているうそが解けていく話です。
で、とうちゃん、ごめん、うそつかせてのせりふになるわけです。とうちゃんを自分のうその世界に巻き込んでしまった。
ごめん。というわけなのです。
このせりふがドラマ全体を象徴しているわけですね。
だから、感動するんですよね。

今泣きながらキーボードを打っています。
これでいつ会見が始まっても大丈夫ですね。