ユナイテッド93

ユナイテッド93を観ました。
手持ちカメラでの撮影なのでしょうか、かなり画面が揺れます。
一緒に観ていた人が途中で席を立って出て行ったまま、帰ってきません。カメラ酔いしたようです。
この映画は感傷的な音楽も流れずに、登場人物がくさい台詞を言わないところがいいと思います。
で、登場人物の内面を描くようなシーンもなくドキュメンタリーのように進んでいきます。
登場人物の誰にも感情移入させないとともにハイジャック犯
も化け物として描いていません。みなを公平に描いている。
ハイジャック犯が行動を起こすまでは、空港の管制塔でのやり取りが中心で、カメラもそれほどブレることもないです。
結構淡々とした映画なのだなと思って観ていました。
淡々としていたとは言え、前半も管制塔や肝心の乗客達に
テロの情報が入ってこない様など興味深かったです。
テレビで観ている人のほうが中心にいる人よりも情報を
持っているという。
題材が題材だけにそんなやりとりだけでも観られるのです。
ところがハイジャックからはすさまじいカメラワークで画面がブレまくり、何が起こっているのかわかりません。
逆にそのことが効果を生み、とにかくすごい迫力で、その場にいるような臨場感。
ラストでは絶叫マシーンに乗っているかのような感覚に襲われた後に喪失感に身を支配され、打ちのめされて劇場を後にしました。
すごい映画でした。
911テロについて何の関係もないと思っている人も観たほうがいいかもしれない。単純に映画として面白いです。