電車男(映画版)

電車男、テレビでやっていたので、観ました。
これはアンチネット映画ですね。
ほぼ全部、画面の「抜け」が悪い。
なんだか室内劇をそのままテレビカメラで撮ったような。
観ている間、息苦しくて仕方がない。
照明も暗くて、夜や室内のシーンばかりです。
電車も地下を走っています。
最後、電車男に刺激されてネットをやっていた引きこもりの青年が外に出ます。
そのときだけ、妙に太陽の光線が美しく光に満ちています。
もう製作者側の思惑は明らかでしょう。
要するにネットやってないで外に出ろと言う。
で、この映画ラストシーンに主人公の妄想だということが分かる。
その電車の中で妄想から現実に戻るところの電車の中も
昼間で明るいです。
主人公が電車の中で定期を取るときに夜から昼へと変わっているわけです。
ネット、夜、仮想現実→外、昼、現実
という流れです。
主人公の山田孝之君がマトリックスについてことさら言及するのもそのせいでしょう。
マトリックスは仮想現実なのでしょう。
よく覚えてませんけど。
アンチオタク、アンチネット映画を撮った村上正典という人はフジテレビで多くの作品を撮っていてこの映画もフジテレビが製作に関与してますよね。多分。
で、この映画はフジテレビVSホリエモン騒動のときにちょうど撮られています。ネットとメディアの融合を唱えたホリエモンをフジテレビは敵視していました。
だからこういうアンチネット映画が出来たのかもしれない。
後にフジテレビが電車男ドラマ版を作ったときにはネットは
もっと好意的に取り上げられているようです。
もうこういうアンチネット映画は撮られないでしょう。
ネットで動員しないとヒット映画は生まれないからです。
最初で最後のアンチネットの大ヒット映画といえるかもしれません。
まあ、先のことは分かりませんけど。