アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

この本はいい本ですね。
帯に1時間で読めるとあるように非常に薄い本です。
本当に1時間で読めて解説の部分は面白いけど、普通かなあと思ってました。
で、マインドマップを作るためにまた読み返してみたら
いい本じゃないですか。
すごく当たり前に書いてあることのなかにそういえば
そうだなと腑に落ちることがさらりと書いてあります。

イデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外何者でもない。
そして既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は事物の関連性を見つけることである。
という原理がまず最初にあります。

イデアというのは全く新しいアイデアというものは
なくて、物事と物事の間の関連性を見つけて組み合わせることであるという話は聞いたことありますよね。
前に放送作家セミナーに参加したときのことを書きました。
そこでも同じことを言われました。
例えば、ジャンルで「占い」と「料理」だったら、細木数子の番組。
とか「グルメ」と「金額を当てるクイズ番組」だったら「ゴチになります」とか。そういう風にいくらでも企画が考え付きますね。
で、それが原理だと。

http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/01/post_6.html
このサイトでもこの本について解説してますね。

で、方法。
まず資料を集める。
特殊資料と一般資料に分かれます。
特殊資料はこの場合は広告屋が書いた本なので
製品と消費者についての資料ということになります。
フロベールモーパッサンへのアドバイスが引用されます。
「パリの街頭へ出かけてゆきたまえ」「そして一人のタクシー運転手をつかまえることだ。その男には他のどの運転手ともちがったところなどないように君にはみえる。しかし君の描写によって、この男がこの世界中のどの運転手ともちがった一人の独自の人物にみえるようになるまで、きみはこの男を研究しなければならない」
ということで、他の会社の商品と同じような商品であっても消費者との関連性を研究しつくすことが大切だと。
で、ある石鹸の例が挙げられています。
石鹸と毛髪との関連性を研究しその広告のアイデアによって10倍もある石鹸が売れるようになったのだとか。

で、資料にはもう一種類あって、それが一般的資料です。
それは自分の興味を広くもつことで、一流の広告屋
エジプトの埋葬からモダンアートまで幅広い興味を持っているのだという。そういう広い興味が後になって生きてきたりするわけですね。こっちは一生続く資料集めです。

資料はスクラップブックやカードにしておきます。
それをああでもないこうでもないと組み合わせ、不完全でとっぴだと思っても書き留めておきます。書き留めるにはまたカードを使うといいそうです。
で、組み合わせたところで、ごっちゃになって分からなくなってきたら、全く違うことをします。音楽会に行ったり映画や劇場に行くのもいいでしょう。
で、アイデアがわくのを待ちます。
イデアがわきました。(ユーレカの瞬間)
最終段階として、現実の世界にそのアイデアを持ち込みます。
他の人の批評を聞き、実際に具体化していきます。

という流れです。
竹内均の解説も面白いですね。
竹内均は280冊の本を書いていて、1日10枚原稿を口述手記しているので、それを20数年続けるとそれくらいの数になるとのことです。
大体一つが3枚くらいのある独立した事柄についての断片を
書いたやつを集めて分類して、ある問題について100個くらいを断片が蓄積するとそれを1冊の本にしてしまうそうです。
続けることが大事なのだとか。

以上ですが、分かりましたでしょうか。
イデアを生かす仕事をしている人は多いと思うので、
興味を持ったら読んでみてください。
損はないと思います。