時をかける少女

リバイバル上映で、筒井康隆の原作で何度も映画化ドラマ化されてきた「時をかける少女」をアニメでリメークしたもの。
筒井康隆原作というよりも原案といったほうがいいような
まったく違うものとなっている。
女子高生真琴は理科教室で倒れてから時間を行き来を自由にできるようになり、その能力をテストの点数を上げるためやらカラオケの延長時間を延ばすためやら、好き勝手に利用する。
千昭と功介と三人で放課後に野球をすることが一番の楽しみで
いつまでもその時間が続くことを願っているけれど、
女一人男二人の微妙な関係は続かない。
周りに不幸な人間が出ないようにタイムリープでなんとかつじつま合わせをする。しかし…
という話。
これは「恋はデ・ジャブ」という映画に似ている。「恋はデ・ジャブ」は起きると何度も同じ朝がきて、主人公は運命を変えるとともに自分の性格も変わっていくという話だ。
「時を…」の場合は自分の好きな時間に移動できるために
もっと複雑なストーリーになっている。
ごくごく普通の日常を描いているのかなと思いながら観ているとそこに戻ってきてその場面に重要な意味があったりして
面白い。
そこは「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」にも似ている。
時間をいじくるような映画が好きな人はぜひ観たほうがいいと思う。複雑な筋でありながら、頭が混乱せずすんなり観られるのがすごい。
というわけで、脚本がすばらしい。
しかし、途中まで乗ることができなかったのは、学校の建物や生徒の持ち物などのディテールなどが写真のようにリアルなのに、人物の表情がオーバーで口を顔の半分くらい開けて笑ったり、宮崎駿ぽい。
宮崎駿の場合は背景はそれほどリアルではないので違和感がない。しかしこの映画の場合は違和感があっていまいち入りこめなかった。人物のキャラクターもさわやかでこんなやついねえよと思ってしまう。
さわやかでもいいのだけど、背景がリアルだからなんか浮いてしまうのだ。
結局最初から最後までなんで実写にしないのだろうという疑問がずっと付きまとっていた。
アニメでないといけないようなところもなかったし。
あれだけ学校のディテールにこだわるなら実写にしたほうが手っ取り早いのではないかと。
まあ、低予算なのでオタク層を取りこむためにアニメにしたのだろうな。オタクは金を使うのでキャラクターグッズとかも買うだろうし。
と文句をつけたが時間のいじり方で初めて観るアイデアもあった。外国に持っていったら受けるだろう。