ハケンの品格 最終回

今週はハケン弁当が完成し発表会がある。
しかし、雪で弁当箱が届かない。
大前春子(篠原涼子)がスカイダイビングで小型飛行機から飛び降り弁当箱をお届け。
と、ちゃんと最終回まで特技を利用して社員を助けるという
展開を脚本が抑えている。
東海林(大泉洋)は子会社に飛ばされ、ホワイトカラーとブルーカラーの間の軋轢に悩まされる。
やきそばパンを食べる東海林。
それにしてもやきそばパンという食べ物は炭水化物の上に
炭水化物という食べ物であって、非常にがさつな食べ物である。
そのがさつな食べ物が東海林という人物を現している。
大前春子は鯖味噌が好きなのだが、鯖味噌は家庭的で繊細な
食べ物である。
これも本当の大前春子の性格を現している。
この二人の正反対の性格の人物が「仕事をするということは生きることである」というスローガンでは一致している。
ラストは大前が旅から帰ってきて東海林を助けるために彼の下で運転手兼一般事務として働くというもの。
それぞれの人物がそれぞれの行く末を送っている。
その愛情溢れリアルな描写にうなるしかない。
森美雪(加藤あい)は派遣社員をやめてアルバイトをしながら紹介予定派遣を探す。
近は同一労働同一賃金の会社に派遣として入って給料を下げられた社員の陰口を聞いてしまう。
というふうにスポンサーに派遣会社がついているのに今の世の中の派遣の抱えている厳しい現実を描いている。そして、どう働くべきか、ある程度の答えを出しているのが、誠実である。
里中は社長賞をもらい、派遣社員のおかげでこの賞を貰えたとスピーチで言う。スピーチを会長に褒められるが会長に「我が社は派遣社員を増やすべきかな?」と聞かれる。
「私には、わかりません」と答える小泉。
日本社会にとっても派遣社員が増えるほうがいいのか本当にわからないとしか言えないだろう。そのわからなさを登場人物にわからないと言わせてしまうのがこのドラマのすごみだろう。このドラマはフェアなドラマであるなと思った。