鴨志田穣

この前免許の更新をしたのだが、平成24年×月×日まで有効とのこと。
平成24年と聞くと気が遠くなる。ずいぶん先の話だ。
それまで生きていることができるだろうか。
それにしても、人が死んだときに意外に感じるのはなぜなのだろう。
死にそうな人が死んでも死ななそうな人が死んでも意外に感じる。
昨日は鴨志田穣というエッセイストが死んだ。
西原理恵子の元旦那でよく漫画に出てきた人だ。
アル中で入院しても脱走して飲んでいたような人で
酒乱で喧嘩ばかりしているので、いつ死んでもおかしくない。文章も極端にボキャブラリーが少なく、アルコールによる記憶力低下によるものだったと思う。
そんな文章だが、読んでいて上手いと感じるのはなぜなんだろう。鴨志田穣というアジアの戦場カメラマンとして生きてきた壮絶さと文章の簡潔さのギャップがいいのだろうか。なんだか酒に例えると水のような日本酒の味わいがある。
この人は西原の漫画の中でもアル中で幻覚を見たり血を吐いたりしているので、普通に考えたらすぐ死ぬんだろう。
だけど、こんな人ほど長生きのかもと思っていたので、
死んだと聞いたとき意外な感じがしたんだろう。
中島らもと死を聞いたときと同じような感想だ。
逆に元気いっぱいで死んだ人のときも意外な感じがするので、死というものの実感がなくなっていて、それを有名人
の死によってやっと少し実感することが出来るのだろうと思う。
死というのは免許の有効期限と同じようにリアリティがない。