サザエさん

サザエさんですが、脚本家によってかなりテイストが違うとのこと。
あの名作全自動卵割り機の脚本は雪室俊一という人が書いていたのですが、雪室脚本は必ずカツオがサザエによっていじめられるという展開になります。
で、それが虐待ではないかと嫌いな人がいるみたいです。
確かに今日も物置を改築するので、カツオが新しくなって
広くなった物置に入れられるのを嫌がるという虐待話でした。
しかし、脚本家は本当にカツオをいじめて喜んでいるのでしょうか。
いや、違います。
カツオのように同じ兄弟のワカメと同じ発言をしても、波平やサザエに虐待
されてしまう子どもにエールを送っているのです。
その子どものたくましさへの信頼は同じ脚本家のキテレツ大百科に出てきます。
あのキテレツ大百科では主人公の英二という少年は後景と化しています。
そしてブタゴリラという少年が主人公のように輝いています。
ブタゴリラってひどすぎます。
その呼び名も「いじめ」と言われずに普通に放送されていたことが懐かしい。
ということで、キテレツもサザエさんも少年がたくましく優しく生きている。
傷つくようなことをされても気にせずに生きていこうというメッセージが読み取れます。
波平やサザエのように兄弟や子どもを差別して扱うことは当たり前のことで、われわれも周りの人間を差別して扱っています。
そんなわれわれも人と差をつけられて扱われると傷つくことがあります。
しかし、サザエさんではそんなことを気にせずに明るく元気に生きることを提唱します。
昔の子どもはそんなことを気にせず受け入れて生きていました。
そんな昔の子どもへの賛歌がサザエさんには響きわたっているのです。
ということで、カツオいじめやめろという人のほうが
実際に今不当な扱いを受けている人に対する思いやりが少ないのです。
家庭内差別はどこにでもあるという前提でものを考え、テレビのアニメとしてどういうものを作るべきかあるいは受け取るべきかをわれわれは考えるべきでしょう。