レミーのおいしいレストラン

佳作。
嗅覚と味覚にかけては天才のねずみ(レミー)が憧れのシェフのレストランに流れ着き、そしてそこで働く全く料理の才能のない下働きの青年(リングイニ)と協力して最高の味を追い求めるという話。
まずキャラクターが全くかわいくないところが気になり、ねずみが料理を作るということへの嫌悪感が最後まで付きまとった。
どのキャラクターにも感情移入できないしリングイニが好きになる同僚の女性(王様のレストラン山口智子みたいなポジション)も変な顔をしている。
ピクサーの前作の『カーズ』も全くキャラクターがかわいくなかったので、キャラクター作りという点では日本のアニメのほうが勝っていると思う。
で、ストーリー的には『パフューム』と同じで才能があるが、
表には出られない青年が香水作りではなく料理をする。
で、海原雄山みたいな料理評論家が出てきて対決という話。
ストーリー時代には取り立てて新しいところはない。
しかし、ねずみと人間が街中を追いかけっこするその描写はすごいと思ったし、アニメーション特有の動きの面白さがあった。
料理評論家が評論というものについて長広舌を振るうのだが、
そこは映画評論家に対する監督の熱い感情が湧き出ていて
よかったと思う。
しかし、それ以外はピクサー特有の手堅い作りで、映像的には冒険しているが、ストーリー的には全く冒険しないといういつもの感じであった。
だけど、料理は旨そうだった。