クワイエットルームにようこそ

テレビについてのコラムニストの主人公の女が
精神科の閉鎖病棟に入院しさまざまな人間に出会うという話。
これは刑務所モノの映画と同じで脇役のキャラクターが勝負になる。
淡々と刑務所を日常があるのではなくて、映画のように登場人物が織り成すストーリーが起承転結を成している。
文体も松尾スズキのコラムを読んでいるときと同じように笑えるもので、作者の旺盛なサービス精神を感じる。
テレビライターを主人公に選ぶという必然性から
文中にテレビを観ている人しか分からないような
比喩が散りばめられている。
これもまた松尾スズキらしい。
この小説は松尾スズキのコラムの愛読者なら同じように楽しめるだろう。
筒井康隆町田康の小説を読んだときと同じくらい
笑った。
こういう小説ならいくらでも読める。