放送作家セミナー2

まず、課題について話した中での、重要ポイント
●テレビを見ている「一般人」の視点で企画を作っていこう。パチンコ番組をパチプロの視点で作っても意味がない。
 ●テレビの企画を作る限りは「画」を頭に浮かべつつ考えよう。たとえば「ワンセグ携帯」を取り上げる企画を作るとしても、それをどのように画面で表現するかの視点を欠いていては意味がない。
 ●何か、新しい要素を入れていこうとしたなら、それと対抗できる別要素をくっつけて考えてみよう。
たとえば「ちょいワルオヤジ」にあとに「ちょいエロマダム」がハヤると考えるなら、一緒にオカマ系の「オネーマン」を登場させてぶつかりあわせてみる、とか。よりハズミがつきやすい。

続いて企画書の書き方について話した中でのポイント。
 ●企画書には「企画意図」「番組概要」「具体的な中身」が必要。特に、どんな層をターゲットにして、どんな時間帯に、誰を出演させて、どんな形式で(オールロケかスタジオ収録か、など)、
  どんなものを見せるつもりなのかをはっきり書かなくてはいけない。
 ●テレビ局において、「企画公募」をやると数百も集まる。だからとても編成部はいちいち細かく読みきれないので、最初のキャッチが勝負。「公募」というオープンな形でなく、
  特定のプロデューサーや作家だけに発注されたクローズの企画書は細かく書いても読んでくれるが。
 ●局によって企画書の形態は様々。NHKはどんな企画でも、A4一枚の所定の用紙の中におさめる。テレビ東京は、どんなリポーターにどこに行かせて何をさせるかまで、細かく書く。
  企画書に「定型パターン」はない。
 ●企画は企画書がうまく書けたから通るということはほとんどない。やはりメーンタレントのスケジュールなどが優先で、「あのタレントがおさえられたから」として通ったりするケースが多い。
  ただ、だからといって力を抜いてはいけない。時には、フッとある時間が空いて、そこにすっぽりハマる企画が偶然通ってしまったりするから。
 ●企画書は、いつも「落としどころ」を意識して書こう。要素ばかりたくさんならべても、「で。結局、どーなんの?」の答えがなかったらマズい。
 ●天才はほとんどいない。誰も思いつかなかった企画もまず出てこない。自分でいいヒラメキがあったと思ったら、まず同時に別に二人は同じことを考えている。
  その中で勝負になるのは、まず先に行動に出られるか。つまり企画書を出す相手がいるか。人脈を作り、電話一本で企画を出せるルート、コネを持つこと。

以上がセミナーの内容についての報告です。

○講師の課題
26日分
若手お笑いタレントをメインで使った番組企画を考えて欲しい。(時間帯、どんなタレントを使うかも明記のこと)
企画書
お笑いタレントを使った番組の企画

○企画意図
お酒を飲むときの楽しさを視聴者が共有できるような番組

○番組概要
「芸能会大宴会、スーパーを食べつくし飲みつくし」
スーパーを一軒借り切り、料理自慢の芸能人や料理人がそこにある食材で料理を
作る。
それをデブタレが食べたり、ほかのタレントが食べたり飲んだりする。
別の場所ではスーパーに置いてある酒を飲んでいる。コンパ芸人が酒を飲むのを
盛り上げる。
グラビアアイドルが隣で花を添える。酒癖の悪いタレントが暴れる。
スーパー内にカメラを設置して同時中継をする。
それをジャッジマンが判定して酒癖が悪かったり宴会の作法がなってないとレッ
ドカードが出て退場。


○タレント
デブタレ(内山くん、ドロンズ石本、彦麻呂など)、コンパ芸人(カラテカ入江
アンタッチャブル山崎、庄司智春など)、グラビアアイドル(ほしのあき、若
槻千夏など)、大御所タレント(江守徹美川憲一)、料理タレント(タモリ
平野レミ神田川俊郎木村祐一など)
ジャッジマン(草野仁、丸山弁護士)

時間帯
7時から11時までの2時間枠。

ターゲット層
20代以上の酒好き宴会好きな人々
○課題
ユニークなカードゲームの企画を考えて欲しい。
カードゲーム企画
ゲーム名「仁義なき戦いカードゲーム」

コンセプト
仁義なき戦いの名台詞を覚えることができる。
映画を観たときの感動を呼び起こす。

内容
カードの表に登場人物名と写真と数字がある。
後ろに名台詞が書かれてある。
二人で対戦して数字の大きいほうが勝ち、カードをもらえる。
その代わり、勝ったほうは台詞を大声で叫ばなくてはならない。

対象年齢層
普段はカードゲームをやらないであろう層にカードゲームの面白さを教えるため
に30代以上の男性をターゲットにする。
お返しメール「若手タレント」「カードゲーム」

お返しメールから
 出演者に酒を飲ませる企画は他にもありました。しかし、番組の中の一コーナーで、隠しカメラで宴会シーンを撮る、というのはありでも、それで一つの番組にするのはなかなか難しい。テレビカメラがある時点で、たとえ少々酔ってもタレントたちは「商品」の顔になりますし。想像したほど面白くならない気がします。
 「仁義なき戦いカードゲーム」は、セリフを言い合うあたりが「遊び」として楽しそうですね。映画愛好家、ことに「仁義」愛好家同士がやったら盛り上がるかもしれません。