あぁ、阪神タイガース

なぜ阪神タイガースという球団があれだけダメな組織であったのか。
そしてなぜ変わってまた元に戻りつつあるのかを容赦なく誹謗中傷を交えて書いた痛快な本である。
裏はとっていないとはいえ元監督が書いたものであるから
信憑性は高く、分析もさすがである。
ファンはタニマチとなって二軍の選手までも甘やかす。
マスコミも批判をすると選手が取材を受けてくれないものだから、とにかく褒めるだけ。
で、監督だけ批判されるという構造である。
OBすら裏で監督の悪口を選手に吹き込んでいるのだから始末が悪い。
フロントはフロントで他の球団に遅れをとるまいと選手を取りに行くこともせず、とるのはものになるか分からない高校出の選手ばかり。
で、野村の考えも浸透せずに、3年が終わってしまった。
星野はそのへんのところをよくわきまえ、OBもフロントもマスコミも上手く使い、自分で選手を交渉して入れたところが成功したゆえんだとか。
また星野の怖さというのが甘えきっていた阪神をしゃきっとさせたという。
星野の監督としての力量は評価しておらず、
マネージャーとしての役割が優れていると書いてある。
その通りだと思う。
ダメ組織の事例を読むのが大好きな私としてはかなり満足した。
プロ野球ファンであるので、相変わらず正確で面白い
それぞれの選手に対する評論も楽しく読めた。