ロストジェネレーション

私はガソリンを入れてちょっとばかし幸福な気持ちになった。
みんなも同じだろう。
何ヶ月かはその気持ちは続くだろう。
政治というのはそういう人々の幸せを作り出すためにあるのではないか。
たまにはちょっとばかしの幸福をくれたっていいじゃないか。
私はロストジェネレーションと呼ばれる世代である。
大学に入るのもかなりの難関であったし、就職も厳しかった。
同級生はみんな何をやっているか分からないありさま。
院に行った同級生は院に行ったがために逆に就職ができないという環境にいる。
大学院生なんか企業はほしがらないからだ。
元々失われた世代というのは戦争中に青春時代を送った世代につけられた呼称である。
青春を戦争によって奪われた世代なのだという。
しかし、その世代の福田恆存はいっさい恨みがましいことを言わない。
青春時代に銀座にもほとんど行けなかったけれど、なんとも思わないという。
私たちだけではなく日本中の人があの戦争の被害者であり、若かろうが年寄りであろうが
関係ないと書いていた。
だが、私の世代のロストジェネレーションはひどすぎる。私の世代ばかり貧乏くじを引いている。青春どころの騒ぎではないだろう。
リア充(リアルな世界で充実している人)だの非モテだので騒いでいる場合ではない。
就職・結婚・家族という当たり前のものを奪われてこれからも奪われ続けていくのだから。
そんな世代にとってガソリンが安くなったからちょっとショッピングセンターまで出かけて
切れた電池を買うくらいの楽しみしかないのだ。
ガソリンが高かったらちょっとした遠出もできない。
ガソリンを再値上げはやめよう。
若者はもっと金を使わなくなるよ。だって、遠出しないで家にいたら絶対に金使わないよ。
だから結局税収は帰ってくるからガソリンを据え置きでいこうよ。
ロストジェネレーションからのお願いでした。