ドストエフスキーをオススメする

ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を読破。
高校のときに読もうとして断念したという経緯がある。
その後、ドストエフスキーの中では短い小説を読んだりしていた。
で、最近「罪と罰」と「カラマーゾフの兄弟」を読んだ。
追い詰められたらどうなるか人間分からないというのがこの二つの小説に
共通するテーマだ。
そして、少しの金のために追い込まれて凶行を働く若者の姿を描いていた。
やはり100万くらいは貯めておかねばダメだとやっと気づいた。
青木雄二ドストエフスキーから学んだのはその哲学である。
お金をないがしろにするなというもの。
ドストエフスキーの小説では展開が跳ねる。
登場人物が思ってもいない行動をして、必然として読者に思い込ませるのは
並大抵の技量ではない。
今回のカラマーゾフ第三部はそういう若者ゆえの純粋さと残酷さが入り交じったミーチャという人物が中心に描かれていて、非常に共感を抱いた。
私は第三部が一番好きだ。
第一部、プロローグ、第二部、宗教論、第三部、青春小説、
第四部、ミステリー、法廷小説という構成になっている。
人によって好きな箇所が違うのではないか。
そういった間口の広さがこの小説が最大の傑作と呼ばれているゆえんだと思う。
ところで、ドストエフスキーをお薦めする理由だが、出てくる登場人物が全部アッパーであり、平気で3ページくらい一人で話している。
躁病としか思えない。それぞれが自分の主張を熱く語っていて、どっちのほうが優れているとか簡単には優劣がつかない。
登場人物の熱さが読者にも伝わり、我々は元気にならざるを得ない。
説教されているわけではないのだが、こんなに元気な人たちが小説の
中で躍動しているのを見るとアッパーになってしまう。
読む覚醒剤と言えよう。
で、最近は自己啓発本が流行っているわけだけれど、なぜ流行っているかというとまあ、覚醒剤でも決めないとこの格差社会に淘汰されてしまう。
しかし、覚醒剤は違法なので、書物を読んでテンションを上げようという
ことだと思う。
いろいろな自己啓発本が売れているのもアッパーな気持ちを持ち続けていきたいからだ。書いてあることはそれほど変わらないのだから。
で、自己啓発本もいいけれど、ドストエフスキーもいい。
ハイになる。かなり長い小説が多いので、それだけ長い間ハイになることが
できる。お得である。元気になるとともに男性心理・女性心理・宗教者の心理・無神論者の心理・社会主義者の心理などに詳しくなることができ、
世の中を渡っていく上でかなり役に立つだろう。
ということで、私に考えられる限りの理由でドストエフスキーをオススメする。