江古田ちゃん3巻

江古田ちゃんの3巻を読む。
これは面白い。
主人公は江古田ちゃんという。
汚部屋に住み、男に都合のよい女扱いされ、ワーキングプアのような生活をしている。
江古田ちゃんの宿命のライバルは猛禽(もうきん)という天然ぽくて男の心をがっしり捕まえてしまう女子達である。
江古田ちゃんはテレアポやショーパブやヌードモデルなどの客商売で働いているので、屈辱を受ける。
屈辱を与えようとして与えられる屈辱ではなくて相手の気持ちに無関心な屈辱である。そこがなんだか切ない。
ピュアな主人公が理不尽な仕打ちを受けるというドラマツルギーではなくて、
江古田ちゃんも結構、冷たく人を見ているところもある。
江古田ちゃんは都合のいい女と扱われて、その江古田ちゃんを勝手に理想化して愛している信者君がいてという風に重層構造になっている。
そこが素晴らしいと書くと難しそうな漫画だと思うかもしれないけれど、
単純に素晴らしい。
猛禽ちゃんにも何種類ものパターンがあるし、帰国子女をアピールする女とか最近普通の男にも受け入れられてきたオタッ子ちゃんとか微妙に嫌な人達が出てくるのが面白い。
なんか、ネットとかやっているとすぐ極論に走る文章を読むことが多いのだけど、素晴らしいものに触れるとそんな簡単なものじゃないんだなと思う。
江古田ちゃんを読んでい単純バカ発想からひとときでも戻ってくることができた。
江古田ちゃんの作者は本当に天才だと思う。

臨死!!江古田ちゃん(3) (アフタヌーンKC)

臨死!!江古田ちゃん(3) (アフタヌーンKC)