銃・病原菌・鉄

これはいい本だった。
スケールが大きい。
東西には文化の伝播が行なわれるのが早いのになぜ、南北だと遅いのかとか根源的なことを教えてくれる。
ちなみに、南北だと緯度が変わり気候が異なるから伝わりにくいのだ。
作物を生産し、牧畜をすることで、生産性を上げる。
そうすると、人口が増える、人口が増えるとピラミッド型の支配体制が容易になり、軍隊が出来上がる。
で、戦争が強くなる。
同時に牧畜をすることによって、動物と人間と一緒に生活するわけだから、病原菌が発生し、病原菌に打ち勝っていく耐性をつけることになる。
病原菌を持つ人間が新大陸に行くことで、菌をばらまき、原住民を多く殺して、支配に成功することができる。
文明を発展させ支配する側と支配される側にはDNAや遺伝による知能の違いはなく、そこで取れる作物の違いなどによって支配する側が進化しただけだと分かる。

他にはエジソンライト兄弟の発明も全く新しい発明ではなく、他の人間の発明を改良しただけにすぎず、一から新しいものを作りあげることは困難だと分かった。
今使っているキーボードの配列も使いやすいから採用されたわけではなく、タイプライターの時代に続けて使うキーを隣同士にすると、キーが動かなくなってしまうので、便宜上作られたのにすぎず、それが今まで続いているだけのことであるというのが面白かった。
つまりは便利なものが残るのではなくて、たまたま多く採用されていたものがそのまま残り続けるということだ。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎