ODAさん

織田裕二が物まねの山本高広に圧力を掛けたというニュースを聞いた。
織田さんが山本に対して怒っているというのは前から聞いていた。
だが、織田さんらしいなと私は思っていた。
織田さんは普段から演技に対して厳しく、台本とかにも赤ペンをバンバン引き、台本が真っ白だった香取慎吾に「赤ペン買え」と怒鳴りつけたらしい。
香取本人が語っていた。
織田さんの心の狭さが反面、演技の完璧主義ともいえる姿勢につながっているのだと思う。
そんな織田さんであるから、山本高広のような自分の仕事ぶりを貶めているような人には我慢ならないに違いない。
物まねに対して鷹揚に構えようと怒ろうと本人の自由である。
ケツの穴が小さいなどと批判するいわれはない。
とはいえ、事務所を通して圧力を掛けるとなると話は別である。
イメージが非常に悪くなる。
かえって、今までの自分の仕事ぶりを貶めることにならないだろうか。
この前心に残る映画ランキングで「三丁目の夕日」と「踊る大捜査線」が入っていた。
いかにも一般大衆が喜びそうなランキングであったが、考えてみれば三丁目も踊るも敵は
ひとつである。
それは官僚的というものである。
三丁目において、茶川先生から淳之介を奪いに来るのはいかにも官僚的な人物であり、
四角定規な理屈を持ち出して、いかにも正論を述べる。
一方踊る大捜査線は現場ではなく会議室でものを決めてしまう官僚に対する批判でなりたっている。
日本人というものは陰湿で理屈を振り回す官僚的な人物に対してきわめて厳しいのだ。
ちなみに60年安保があれだけ盛り上がったのもきわめて官僚的な岸信介に戦いを挑んでいるように見える学生を大衆が支持したからだ。
吉良上野介を敵役とした忠臣蔵も同じ構造である。
で、今回の織田さんの行動はきわめて官僚的とはいえまいか。
今までの実績をたてにしてテレビ局に圧力を掛けるという。
経団連奥田会長自民党の政治家みたいではないか。
織田さんはそういう大きな権力と映画やドラマの主人公として戦って来たのではなかったか。
今までと違うではないかと思ったが、続三丁目の夕日のことを思い出した。
三丁目の夕日では冷たい悪役がぽつりと茶川のことを認めるようなことを言う。
それが観客に滂沱の涙を流させた。
もしかして、織田さん、これだけ怒っているというのはフリでしょう。
怒っている怒っていると煽っておいて、
山本高広がラララララ LOVE SOMEBODY TONIGHTと歌っていると後ろから
山本と怒って織田さんが登場して一緒に歌うという絵が頭に浮かんだ。
さすが、織田さんというしかない。
そこまで考えて怒ったフリをしていたのですね。