博士も知らないニッポンのウラ 最終回

ネットテレビ・ミランカの最終回「博士も知らないニッポンのウラ」を視聴。非常に面白かった。
天才会議を題して苫米地英人宮崎哲弥宮台真司の3人の鼎談。
それに水道橋博士が司会として加わるという構成である。
宮台真司のいつもの専門用語羅列が見られ、何を言っているか分からないところもあった。
そこはネットで調べて補強。
本当はテロップで出してもらいたいのだが、これだけ専門用語が多いと無理かもしれない。
まず、収録当時話題になっていた厚生省次官が殺された事件で犯人が自首したというニュースについて。
公安がテロという印象を抱かせようとしている。
テロというのは無差別に人を殺傷することである。
元厚生省次官という限られた対象で包丁を使っての殺傷はとてもテロといえない。
公安は捜査能力もなく予算を得るためにマスコミの印象操作をしている。
そもそもマスコミに出ている評論家というのはみんなバカである。
マスコミというのはメタな位置にあるわけではなくて、状況の一つに過ぎない。マスコミ人を見れば分かるが、そこらへんの一般の連中と変わらない。
テレビマスコミはリアルタイムということを追求するから、その程度でいいが、活字マスコミもリアルタイムを求めるあまり、質が低くなっているのが、問題だ。
活字はタイムラグがあるのだから、その分事件から一歩引いた、物事とシンクロしていない抽象度の高いものを提供するべきだ。
という感じ。


次に宗教について。
苫米地さんが奇跡の着うたを出している。聞くだけで胸が大きくなるなどのうたい文句である。あれは江原信者を取り込むため作戦ではないか。最近出している本は元江原信者が多く買っている。江原批判をするよりも江原信者を取り込んでしまえという作戦だ。
江原を批判するだけではなくて、江原信者にフックを投げて釣りあげる
ということをやっているのだ。
その過程で他の人間から見るとあほらしいことでもやっているとのこと。着うたもその一環。
実際「江原信者でしたが、今は苫米地さんのファンで、著書を2冊ずつ買っています」という手紙も来るらしい。
宮台も同じようなことをやっていた。右翼のところに行って、本当の右翼はこんなもんなんだと教え、右翼を取り込む。左翼のところに行って、本当の左翼はこうなんだと言って右左両翼を取り込んでいくという手法である。
江原の主張は間違いであるというのは3人とも一致している。


苫米地氏の著書を読んでいるので、私が補足すると、江原氏の説く輪廻転生の考え方が一番危険であるということだ。
輪廻転生とは何度も生まれ変わるということだ。
苫米地氏によるとオウムもナチスもその考え方を持っていた。
オウムのポアという考え方は相手をなるべく苦しめて殺すことが相手のためになるという考え方である。苦しめて殺せば相手はそれだけ苦しんだということで、来世で立派な人間として生まれ変わるからである。
ナチスも超人として生まれ変わるために戦いの中で死ぬことも潔しとしたのである。
最近では中学生がオーラの泉を見て、生まれ変われるならと自殺をしてしまった。
このように生まれ変わりの考え方はとても危険な思想に結びつくものだといえる。本人の努力ではどうしようもない前世を持ち出してくることで、差別にも繋がってしまう。
その証拠か世界の三大宗教も生まれ変わりを実は認めていない。


番組ではあの世とは数学で言う点のようなものだと言っていた。
点というのは定義は出来るが実際にはないものだ。
確かに点というのを描こうとしてもそれは面積が持ってしまい、厳密には存在しない。とはいえ定義上の中にだけ存在するものだ。


生まれ変わりやあの世についての論争というのは昔から存在しており、
浄土真宗日蓮が批判したのもそうだ。
日蓮はあの世を否定したのに対して浄土真宗はあの世の存在を民衆に伝えることで信者を獲得した。


政治についての話。
3人ともロビー活動を活発にやっている。
三権分立がなされていないのが日本の諸悪の根源である。
国会が立法の機能を果たすべきであるのに、実質は官僚が法律を作っている。だから、国家公務員の10パーセントを政治家秘書にしてしまい、政治家一人につき30人から40人の政策秘書をつけて政治家が法律を作れるようにすればいいというのが苫米地氏の考え方。
昔は自民党党本部が官僚と政策をすりあわせて、政策を実行していたために国会で議員が寝ていても政治が成り立っていた。
ところが、小泉がそのシステムを壊してしまったために、能力のない官僚であっても政治家を操れるようになった。
まずは、民主党であっても自民党であってもいいが、党本部の力を強めることがはじめの一歩であるというのが宮崎氏の意見だ。


まとめ
学問というのは役に立つからやるのではない。学問をすること自体が楽しいからやるのである。
ストコーマを外して覚醒させるのが我々の仕事である。
ストコーマというのは人間みんな持っている思い込みというものである。
過去がその人間を作り上げているので、その人間は自由になれない。
宮台氏と苫米地氏の本を読むことでストコーマから覚醒できるかもしれない。
三人のオススメの本。

宮崎 大乗仏典〈1〉般若部経典―金剛般若経・善勇猛般若経 (中公文庫)

宮台 文語訳聖書 講談社

苫米地 今書いている自分の本

この番組は最終回だが、博士がこの番組のスポンサーになってくださいと苫米地氏に頼んだところ「いいよ」と快諾していた。
もしかしたら戻ってくるかもしれない。
ネットと地上波含めても一番面白い番組だったと思う。
博士の知性と好奇心とそれをフォローする宮崎哲弥のとぼけたところと並外れた知識量があいまって、非常にいいコンビであった。
この二人でニュース23をやってほしい。
ネットに逃げた視聴者も毎日観るのではないか。