BACK TO COLLEGE

「BACK TO SCHOOL」というたまにテレ東でやっている映画がある。
この映画は成金オヤジが金にものを言わせて高校に戻るという映画だと思った。
洋の東西を問わず、もう一度青春を取り戻したいという願望があるのかもしれない。
で、私も大学生に戻って楽しいキャンパスライフを送るという夢を今日見てしまった。
授業はサブカルチャー系の講師が行っていた。
私は全部授業の内容が分かるので、楽しくて仕方がなかった。
冷たそうだが、実は性格の良い美人のクラスメートとエレベーターでばったり会い談笑した後になぜかキャンパスの中にある本場の辛さで学内でも噂のオープンテラスのカレー屋に急ぐのであった。
というところで、目が醒めてしまった。
ずっと夢を見ていたかった。
私は彼女もいたし、サークルも入っていたので、そこまで悲惨な大学時代を送ってはいないと思うのだが、潜在意識にまで入り込んだ豊かな青春を送りたかった願望は痛切なものがある。
やはりマスコミや漫画などの影響であろう。
最近凶行に及ぶ若者はモテないという共通項を持つことが多い。
マスコミや漫画などがあまりにも華やかな学園生活を描くものだから、そういった記憶を持ち得なかった人間は社会に怨嗟を抱かずにはいられない。
ところで、森見登美彦の小説には冴えない大学時代を送った主人公が何度も新入生に戻ってやり直すというのものがある。小説の中の人物は華やかな学園生活を送っている人物に対する甚だしい嫉妬がある。森見の小説がこれだけ広範な支持を集める背景にはそういうジェラシーがある程度普遍的なものである証拠だろう。
日本のマスコミの若者を持ち上げ、老人を貶める手法にはかなり問題があると思う。
まるで、いつも若者が楽しくて老人が惨めに決まっているかのようだ。
そんな風潮の中で、楽しく過ごすことのできない若者は勝手に自分が少数派だと思って
社会に恨みを持ち、凶悪犯罪に手を染めざる得ない。
それが去年の若者の凄惨な殺人事件の背景にあるのだと思う。
擁護をしようという気はないけれど。
だが、今年になって若者も老人もみんな不景気で惨めになってしまった。
そうなると、青春どころではなくなるので、凶悪犯罪は減るであろう。
それがいいことだか悪いことだが分からないのだが。