チェンジリング

映画を観た。すごかったなあ。「チェンジリング
ワーキングマザーが仕事に出かけ帰ってくると子供がいない。
警察の捜索の結果見つかった子供は全くの別人だった。
しかし、警察はミスを認めようとしない。
主人公の戦いが始まるという映画。
まあ、一見してつまらなそうなストーリーだと思うけど、全然違った。
CMでは感動とか謳っているが、感動とかそんな範疇にない。
思っても見なかった展開になって、どうなるのか分からず、本当にハラハラした。
まさか、テレ東の○○モノのような映画になるとは。
そういうたぐいの映画が好きな私としては本当に嬉しかった。
○○モノのなかにある、女性同士の友情とかグッと来る。
だが、テレ東で放送している映画と題材は同じはずなのに、受ける印象の濃度が
違いすぎる。
そして、○○モノとか思ったら、急に非常に怖い映画になって、
これも言えない。
ネタバレできない。
映画というのはだいたいストーリーの展開が予想できるもので、見ている方の予想を
裏切ったとしても結果的に定石通りだったりする。
この映画はストーリー今まで観たことないようにすすみ、それでいて無理矢理な印象が
ない。
普通の監督では強調しないようなところを強調しているがために異常に心に残るのかも
しれない。
最近の映画は最初のシーンから飛ばして観客を惹きつけようとするが、この映画はとても
スローな始まりかたで、ハートウォーミングな佳作かと思った。
それが、あんなショッキングな映画とは。いやー、騙された。
ラストの響き方もすごかった。
ヒーローになれない大部分の人間に対する共感とでも言うのだろうか。
いや、そんな一言では済まされない映画だった。
正義と悪とかそういう二元論を超えて、そしてその超えたところからまた超えて
イーストウッドのどんどん深まっていく映画世界に感嘆せざるを得ない。
傑作というしかない。
とりあえず、キネ旬の1位は決まりだ。