今日のイチロー

9回にダルビッシュが出てきたときはヤバイと思った。
で、本当にやばかった。
韓国の選手にヒットを打たれたときに、イチローはクビを振った。
おかしいなという風に。
普通はショックで唖然とした表情になるはずだ。
イチローが決勝打を打ったときの韓国の監督のように。
イチローは自分が打って、日本が勝つというビジョンを思い浮かべていたのに違いない。
だから、そのビジョンに合わない現実が出てきたときにおかしいなと思ったのだ。
勝つのが自分の中で当たり前だと思っていたのではないか。
次に決勝打のイチローの前の打席だが、代打川崎の頭の中にイチローさんに決めさせて
あげたいという思いが少しよぎらなかっただろうか。
少しそんな思いがよぎった時点で打てないのは当然だと思う。
簡単に凡打をした川崎を見て、韓国はこれで波に乗ったなと思ったのだろう。
4球投げてボールにして、次の打者と勝負するよりもイチローで終わらせたれと思った。
そして、様子見で一球投げたところ、ボールになって2球目はストライクになった。
イチローの見逃し方が打てなそうだった。
で、ワンワンになってしまった。
ここで、ボールになっていたら、歩かしてもいいからボールとストライクの怪しいところに
放っておこうと思ったのだろうが、ストライクになってしまった。
なら、あと2球ストライク入れたら終わりじゃねえのと思って、もう一球投げたら、ツーワンになった。あと1球で終わりじゃん。韓国バッテリーは楽だと思った。で、もう歩かせることなんか考えなかった。
ここで、イチローは汗をぬぐうためにヘルメットを脱いだ。
テレビを観ている私の目には白髪のように見えた。
本当に白髪だったのかそれともカクテル光線に反射して白髪になったのか分からない。
あの童顔のイチローも歳を取ってしまった。私の青春もイチローの青春も終わってしまったとなんだかギョッとしてというのは嘘である。TBSの再放送で見たときに初めてイチローの髪の色が意識に上ったのだ。そのせいかツーワンまでのイチローはなんだかとても痛々しかった。
私の潜在意識にイチローの白髪姿が焼き付いてそれが非力なイメージを植え付けていたのかもしれない。
韓国バッテリーも球の見逃し方を見てなんだか抑えられるような気がしたのかもしれない。
ところが、そこからファールで粘るのにつれて、段々イチローらしい粘りや力強さが出てきて、韓国バッテリーもヤバいと思った。だがもうなんとなく引き返せなくなってもしかしたら精神的にしっかりしていたら抑えられたかもしれないのにあんまり粘るものだから怖くなって打たれてしまったというところではないか。
イチローのインタビューの「ほぼいきかけた」というのは素晴らしいと思う。
やはり野球にもセックスと同じくらいの快感を得ることが出来るからイチローは努力が
出来るのだと思う。
目標を達成したときの満足感を表現するためにあのインタビューの言葉になったのだろう。