ワールド・オブ・ライズ

ワールド・オブ・ライズをこの前観た。
この映画はリドリー・スコットの小器用なところが発揮された映画で、つまらないという
ことはないが、全く重要でなくすぐ忘れられる映画である。
CIAの工作員レオナルド・ディカプリオが上司のラッセル・クロウの小細工のために
逆に命を狙われる。だが、懸命に任務を遂行していくという話。
この映画の嫌らしいところはイスラムも西洋もどちらにも公平な視点を持っていますよ
とアピールしている点だと思う。
だが、単なるスピルバーグミュンヘンの二番煎じでしかない。
場面が次々に移り変わり、空撮の映像とかがあって、なんとなくスタイリッシュで
場面が転換しているなと思って退屈はしない。
だが、なんも感じない。
主人公のために何の罪もないイスラムの学者が死ぬのだが、
主人公はそのために指を一本つぶされただけですむ。
で、最後は何事もなかったかのように街を闊歩して終了。
いい気なもんだと思った。
レオナルド・ディカプリオラッセル・クロウリドリー・スコットがちょっとサイードとか読んで影響されて、イスラムの側から政治を観ることが出来るのをアピールしているのが見えてしまう。
そんなかっこいいオレのためにわざわざどうでもいい映画を撮ってしまったのが敗因であろう。絶対この三人にとってイスラムなんかどうでもいいはずだ。
そこがミュンヘンの何が何でも伝えたいという気持ちと違うところだろう。
やっぱり心がないからつまらないという結論に落ち着く。