飯島愛が嫌いだった

いまさら、飯島愛である。
少し彼女に対する感情もみなさんクールダウンしてきたので、
かえってちょうどよいのではないだろうか。
私は飯島愛が嫌いだったのだが、それはビッチだからというわけではない。
どちらかというと風俗嬢とかAV嬢に対して同情的になることが多い私は「AV崩れがテレビに出やがって」とかそんなこと思ったりしない。
ではなくて、AV嬢に同情的であるが故に飯島愛という人が出てきたせいで、そっちの道に進まなくていい女の人が誤った道を歩んでしまったことに憤慨するのである。
アダルトビデオのスカウトなどでは君も飯島愛みたいになれるよと言ってスカウトすることが一時期あったと思う。
女の子も本気でそんなことは信じていなかったと思うが、間違っていると思っても自分で自分をだまして、主にお金に困っているがために、アダルトビデオに出演したりということもあったろう。
自己責任という声も上がるだろうが、引退しても映像が繰り返しネットなどを介して広がり続けるだろうし、アダルトビデオに出るということはリスクが非常に高く、個人的にはとりかえしのつかないことであると思う。
アダルトビデオの広告塔みたいな役割を飯島愛は果たした。
それも周りがやったことだから、仕方がないのだろうか。
私が許せなかったのが、アダルトビデオを利用しながら、飯島が自分はそこらへんのAV女優と違うと思っていたところだ。
そのために、タレントになってからはトーク番組などではアダルトビデオの話は一切禁止にしてしまって、松本人志にコラムで怒られたりしていた。
何年かアダルトビデオの話をタブーにしておいてから、プラトニックセックスという本を出した飯島はAVの話を自らそこで語った。
だが、自分でタブーにしておいて、解禁って、ただのマッチポンプじゃないか。
しかも、AVでは本番をしなかったと嘘を書いていた。
これについてはちゃんと証拠がある関わらず。
自分のせいで、アダルトビデオに出た女の人が何人もいるのに、他のAV女優とは一線を引いたわけだ。
飯島愛は風俗嬢とかAV嬢とかの希望の星だったと思う。
そんな女の人たちの地位向上のために戦うべきだったと思う。
だが、実際はそういう人たちと違うということを語ってばかりだった。
飯島愛というのは元AV嬢なのに空気が読めるとか元AV嬢なのに賢いとかそれだけでテレビに出ていた人だ。
それ以外になんのアイデンティティもない。
だけど、AVというのは一番彼女にとってさげすむべきものだった。
本人はそのジレンマに苦しんでいて、元AV以外の売りを探していたのだと思う。
そして、実業家としての道を模索したのだろう。
だが、実業家として成功する前に、自分の過去に押しつぶされて、死んでしまったのだろう。
私は飯島愛が嫌いだったけれど、もう今となってはどうでもいいことだ。
ただ、飯島愛を真似た人生を誰にも送ってほしくないとだけ思う。